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第108回ワークショップ

価値評価研究への誘い

日 時:2022年6月12日(日) 13:30~17:00
Zoomによるオンライン開催
主 催:現代経営学研究所・神戸大学大学院経営学研究科

【趣 旨】

価値評価(Valuation)とは、物事を測定可能にしたり、値づけすることによる価値創造の実践です。価値評価によって比較秤量が可能になり、将来を予測することもできるので、現代社会にとって欠かせないものです。測れないものもあるじゃないかって?そのとおり。しかし、測れないものは、測れるものによって認識可能になります。経営学でいま世界的なブームになっている価値評価研究とは、所与の価値を評価することにとどまらず、新たな価値を作り込んでいく実践や、測られる価値の裏をかいた戦略的行動にも興味を持っているのです。本ワークショップでは、最新の価値評価研究について、新進気鋭の研究者や話題の著者にご紹介いただきます。

第一報告:各企業は唯一無二の存在であり、その評価や値づけは極めて困難です。その反面、現在ではグローバルな企業同士のM&Aが日常茶飯事に行われています。本報告では、M&Aをめぐる「評価」について、実務にも言及しつつ、アカデミックな視点から得られた知見を提示します。特に、M&Aにおける多様な価値評価指標の存在を指摘しながら、その受容及び情報開示の重要性を強調したいと思います。

第二報告:価値評価の中心的実践には、物事を測定可能にしていくことがあり、会計計算が重要な役割を担います。第二報告では、環境と経済という複数価値を追求する手法として知られているマテリアルフローコスト会計を事例に、複数価値をバランスよく両立させるための銘刻(インスクリプション)に関する議論を展開します。

第三報告:われわれは物事を価値づけていくとともに、価値評価される対象でもあります。第三報告では、話題本『婚活戦略』の著者にご登壇いただき、婚活市場で商品として陳列された実体験をオートエスノグラフィーという方法論のもとで、市場の中で有利な選択を行おうとする戦略や,婚活市場に埋もれないようにする防衛戦略、さらには今後の婚活市場をより健全化していくための企業戦略をお話しします。

第四報告:価値評価研究は現代社会の具体的なイシューに光を当てるものですが、その理論的基盤には、科学技術社会学、人類学、組織社会学など、さまざまな分野の理論を擁していることも特徴の一つです。第四報告では、価値評価研究の背景にある金融社会論の遂行性アプローチ、アクターネットワーク理論、科学技術人類学の理論的知見を紹介しつつ、これらの知見を踏まえて第一〜第三報告の論点やインプリケーションについてコメントします。 

【プログラム(予定)】

13:30-13:40 解  題 松嶋 登(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
13:40-14:20 第一報告「M&Aを対象とした価値評価研究」
         岡本 紀明氏(立教大学経営学部 教授)
14:20-15:00 第二報告「複数価値の追求と銘刻:マテリアルフローコスト会計を事例に」
         天王寺谷達将氏(岡山大学学術研究院社会文化科学学域 准教授)
15:00-15:10 休  憩 
15:10-15:50 第三報告「価値評価が形成する婚活市場と婚活戦略のゆくえ」
          高橋 勅徳氏(東京都立大学大学院経営学研究科 准教授)
15:50-16:40 第四報告「経営学の価値評価研究における理論的基盤: 金融社会論、アクターネットワーク理論、科学技術人類学を中心として」
         金 信行氏(東京大学大学院学際情報学府社会情報学コース博士課程)
16:40-17:00 リプライと質疑
         司   会:松嶋 登

【参 加 費】

一般会員・学生会員:無料 (事前申込必要)
非会員:1万円

<問い合わせ先・お申し込み>

現代経営学研究所(RIAM)事務局
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町2-1 神戸大学大学院経営学研究科内(第三学舎一階)
TEL:078-803-6985 / 078-805-1623  FAX:078-805-1624  E-mail:bi@trais-out4.sakura.ne.jp

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*参加をご希望の方は、6月3日(金)までに事前お申し込みをお願いします
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