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MBA Cafe主催 修士論文相談会のご報告

  • 七條 歩 (MBA Cafe 理事 2018年入学)

 2021年5月8日 (土)に「修士論文相談会」をオンライン形式にて開催いたしました。

 昨年来からの新型コロナウィルス感染症は、さまざまなシーンに影響を与えています。神戸大学MBAにおいても、六甲台キャンパスで教員と学生による活発な議論の積み重ねや大学図書館における豊富な文献活用といった本来の強みが発揮しづらい状況に直面し、なかでも修士論文作成においては対面インタビューやアクションリサーチなどに制約を受けています。このような状況を受け、MBA Cafeでは強みであるアルムナイネットワークを活用し、数多くの OB/OG の協力を得て、オンラインによる修士論文相談会の取り組みを昨年から開始しました。昨年は2回開催し、とても好評であったことから、今年は昨年以上に内容を充実させて開催できるよう臨みました。

 M2生に対する告知が開催直前であったにもかかわらず、当日は約半数の32名が参加しました。アドバイスする OB/OG も20名となり、2年目のイベントとして定着・浸透してきた感があります。ゴールデンウィークの土曜日の夜に、時間を割いてご協力いただきました OB/OG の皆さまにはこの場を借りて御礼申し上げます。

 さて、当日は「Zoom」を利用し、事前に確認したM2生の研究テーマ・相談内容とアドバイザーの得意分野とで、M2生2名に対してアドバイザー1~2名をマッチングした個別グループに分かれ、相談とアドバイスを行いました。

 M2生は、各自の問題意識と背景、依拠する先行研究・理論と問いの内容、進捗状況と現在の迷いや行き詰まっていることなどを持ち寄り、アドバイザーは、日常のゼミとは違う角度・視点からアドバイスを行いました。実際に論文執筆を経験した OB/OG ならではの、苦労や経験を踏まえた実践的なアドバイスが提供され、16グループ全てで、40分×2人のセッション時間では足りないほど非常に白熱したものとなりました。また、時間を延長したにもかかわらず、プログラム終了後も有志による第2ラウンドに突入し、残ったメンバー全員でのディスカッションとフィードバックが行われるなど盛況のうちに終了しました。セッション後、参加者された皆さんの笑顔が多い印象を受けました。明日につながる持ち帰りが、きっとあったのではないでしょうか。

 実際に参加したM2生からは、「リサーチクエスチョンを立てる時の視点の広げ方や論文の作法など具体的に知らなかった」「悠長に構えている余裕がないことが分かった」「そもそも目的は何か?何が新しいのか?という本質を見失っていた」等の意見が寄せられ多くの気づきが得られたようです。

 アドバイザーを務めた OB/OG からは、「問いの立て方に苦労している」「自身の役に立った」「とても刺激を受けた」「とても盛り上がった。少しでも後輩の役に立てればうれしい」というフィードバックを受けました。多くの OB/OG にとってもM2生の研究から新たなインプットを受け、学びを深め、刺激を受ける機会となったようです。

 一昨年、論文執筆で紆余曲折を経て何とか完成までたどり着いた私も、当時陥った思考の罠と失敗の経験を踏まえて参加させていただきました。私自身の成果としては、年次を超えた人とのつながりを得られたことにあります。昨年、この相談会でお話しした方からその後も個別に相談いただき、彼/彼女らの修了後も交流が続いています。この経験から、各自の研究を通じて人と人をつなぐ場として、新たなネットワークが生まれることもこのイベントの魅力であると確信しております。

 昨年からの取り組みではありますが、入学年次が異なるだけで同じ神戸大学MBAで学び続ける同志・仲間として、参加者がつながることができる場を提供することで、MBA Cafeの活動メリットが発揮されたように思います。研究がある程度進む6月に第2回相談会を開催予定です(詳細はFacebookグループ「神戸大学MBA-cafe」にて随時発信いたします。まだ参加されていない方はご登録お願いします)。

 MBA Cafeでは今後もコロナ禍を言い訳にせず、M2生が優れた論文を完成させ笑顔で修了できるよう、会員にとってのアルムナイネットワークの新たな価値の提供に引き続き取り組みます。 OB/OG をはじめビジネス・インサイトご購読の皆さまにも各種ご協力賜りますようお願い申し上げます。